犬の軟部組織肉腫で手術後も再発予防を続けたトイプードルのご相談例
抗がん剤を使わず元気を保ちながら、再発と向き合ってきた経過

患者:Gさま トイプードル 11歳
使用中のお薬

ご相談内容

「抗がん剤の影響がどう出るのか心配です」そんな不安から、ペット漢方研究会へご相談いただいた症例です。 

今回ご紹介するのは、
軟部組織肉腫(低悪性度)と診断された11歳のトイプードルちゃんのご相談例です。最初は尻尾の付け根近く、お尻の左側にしこりが見つかり、経過観察ののち摘出手術を受けました。

病理検査の結果は
軟部組織肉腫・低悪性度。抜糸後、病院では抗がん剤治療も予定されていましたが、飼い主さんは「本当にそこまで必要なのか」「今元気なのに体力を落とさないか」と大きな不安を抱えておられました。 

ご相談時の情報

  • 犬種:トイプードル 
  • 年齢:11歳と24日 
  • 性別:オス 
  • 体重:6.4kg 
  • 主な病名:軟部組織肉腫(低悪性度) 

ご相談時の状態

しこりは2024年3月に気づかれ、最初は抗菌剤と抗炎症剤で様子を見ていましたが、3月29日に摘出手術を実施。病理結果で軟部組織肉腫と分かり、4月下旬から抗がん剤治療を行う予定になっていました。

ただ、この時点では本人はとても元気で、食欲や日常生活にも大きな問題はなかったため、飼い主さんは「今の元気を崩したくない」「再発は怖いけれど、抗がん剤で弱らせたくない」という気持ちで揺れておられました。 
 

ペット漢方研究会で考えたこと

この子では、

  • 再発予防を意識しながら経過を見ること 
  • 体力と食欲を維持すること 
  • 免疫の土台を支えること 
  • 病院治療をする場合にも負担を軽くすること 

が大切だと考えました。そこでペット漢方研究会では、

  • 免疫バランスを支える方向 
  • 体力や食欲の土台を支える方向 


から、継続しやすい形をご提案しました。
また、もし抗がん剤を行う場合には、病院治療と併用しながら、体力低下を和らげる方向で考える方針をお伝えしました。 
 

抗がん剤をどうするか悩んだ時期

飼い主さんご夫婦は、抗がん剤を予定どおり行うかどうか、かなり悩まれていました。当初はご主人が積極的に考えておられたものの、実際に元気な様子を見て、抗がん剤を延期または中止にしたいという気持ちも出てきたとのことでした。 ペット漢方研究会では、

  • 抗がん剤を使うなら漢方と併用すること 
  • 副作用が強い場合は休止や中止も視野に主治医と相談すること 
  • 抗がん剤を使わない場合は、今回の漢方方針で継続すること 

をお伝えしました。 その後、ご家族で話し合われ、抗がん剤治療は行わない という選択になりました。 
 

その後の経過

漢方を始めて約1か月後には、「転移再発の様子は見られず、いたって元気に過ごしています」という嬉しいご報告が届きました。 
そこからは、

  • 2024年5月 
  • 2024年6月 
  • 2024年8月 
  • 2024年10月 
  • 2024年12月 

と継続的にご連絡があり、いずれも 変わりなく元気再発や転移の様子なし という経過が続いていました。定期検診でも触診上異常なしとのことで、飼い主さんも少しずつ落ち着きを取り戻されていきました。 一度「寛解」と言われたあと2025年2月、病院で「3月に摘出手術をして今再発していないということは、寛解したと思っていい」と言われたそうで、飼い主さんからも大変喜びのご連絡がありました。 
 
ただ、その後2025年4月には、再び尻尾付近に気になるできものが見つかり、経過観察となりました。さらに2025年8月には、細胞診で再発の可能性も否定できず、9月4日に手術を受ける流れとなりました。 
 

再発と再手術、その後

2025年9月の手術後、結果は軟部組織肉腫の再発でした。ただ、飼い主さんはこの時も抗がん剤治療はしない方針を選ばれ、引き続き漢方を続けながら経過を見ていくことになりました。 術後1か月の時点でも、経過は良く、元気に過ごしていたとのことです。その後も2025年末、2026年2月、2026年4月と継続して追加のご依頼があり、長く安定した生活を保てていることがうかがえます。 
 

飼い主さんの言葉

この症例で印象的なのは、2024年12月の飼い主さんの言葉です。
「突然病気を宣告され気が動転し、気持ちが沈み、何をしてあげればいいのかわからずにいたところにアドバイスをいただきありがとうございました。大変救われました。」この言葉には、病気そのものへの不安だけでなく、“飼い主として何を選べばいいのか分からない苦しさ”がそのまま表れているように感じます。 この症例から考えられること軟部組織肉腫の子では、

  • 手術後の再発不安 
  • 抗がん剤をするかどうかの迷い 
  • 元気な今を崩したくない気持ち 
  • 家族間で治療方針に迷いが出ること 

が起こりやすいです。この子のように、病院での検査や手術を受けながら、抗がん剤は使わずに経過を見る という選択もあります。その場合でも、体力や食欲、毎日の元気をしっかり支えることは大切です。また、一度落ち着いたように見えても、後から再発が見つかることもあるため、油断せず長く見守る姿勢が必要です。 
 

同じようなお悩みの方へ

  • 犬の軟部組織肉腫と言われた 
  • 手術後の再発が不安 
  • 抗がん剤をするか悩んでいる 
  • 今元気だからこそ迷う 
  • できるだけ体力を落とさず過ごさせたい 

ペット漢方研究会に是非ご相談ください。


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